サーバーのネットワークについて
こんにちは、皆さん。インターネットは日常生活に欠かせないものとなっていますが、その裏側で何が起きているのか、気になったことはありませんか?現代の社会人にとって、ネットワークの知識は仕事でもプライベートでも非常に役立つ情報です。
このブログでは、ネットワークがどういうものなのか?プロトコルやIPアドレス、ドメイン名とは何か?といった基本的なことから、少し専門的な話まで、初心者でも理解できるようにわかりやすく解説させていただきます。
1. ネットワークって何?
1-1 ネットワークの役割とは?
ネットワークとは、コンピューターやデバイスが相互に接続され、情報やリソースを共有できるシステムのことです。この接続によって、データの送受信やインターネットへのアクセスが可能になります。
ネットワークの主な役割は、情報の迅速な共有と、リソースの効率的な利用です。これにより、遠隔地にいる人々とも瞬時にコミュニケーションが取れるようになります。そのことでビジネスや学術研究が劇的に効率化されています。
1-2 異なる種類のネットワーク
ネットワークにはいくつかの種類があり、それぞれが特定のニーズに対応しています。家庭内でよく使われるWi-Fiは、家族間でのデータ共有やインターネット接続を簡単にするためのものです。
一方、企業で使われるLANは、社内の大量のデータを高速でやり取りする必要がある場合に適しています。そして、これらのローカルなネットワークを超えて、インターネットは全世界のコンピュータを繋げる最も広範なネットワークです。
このように、各ネットワークは特定の目的と範囲に応じて設計されています。その選択は使用ケースに大きく依存します。特に現代では、多様なネットワークが複雑に絡み合い、私たちの生活を豊かにしています。
2. プロトコルとは?
2-1 プロトコルをあいさつに例えると?
プロトコルは、通信する際の「ルール」や「手順」のようなものです。
例えば、人々が会話をするときに「こんにちは」と挨拶を交わします。これも一種のプロトコルです。
この挨拶のルールがなければどうでしょうか?人々はどのタイミングで会話を始めていいのかわからなくなってしまいます。
同様に、コンピューターやスマートフォンがインターネットで情報をやり取りする際プロトコルが必要です。これがないと、デバイス同士がどのように通信を行うべきかが定まりません。結果として情報の送受信がうまくいかなくなってしまいます。
プロトコルは「通信のルールブック」のようなものです。これに従うことでスムーズな情報のやり取りが可能になります。
2-2 プロトコルの種類
プロトコルにはいくつかの種類があります。それぞれ特定の目的や状況に適したものが存在します。
例えば、HTTPはウェブページの表示に使われます。
そして、SMTPはメールの送受信に用いられます。
これらはいずれも「通信のルールブック」として機能しています。
特定のタスクを効率的に遂行するための指針を提供します。
このように、プロトコルは通信の目的や内容に応じて選ばれ、それによってスムーズなデータのやり取りが実現されます。
プロトコル
プロトコル | 正式名称 | 説明 |
---|---|---|
HTTP | HyperText Transfer Protocol | ウェブブラウザとウェブサーバ間でのデータの送受信に使用されるプロトコルです。 |
HTTPS | HyperText Transfer Protocol Secure | HTTPにセキュリティ機能を追加したプロトコルで、安全なデータの送受信が可能です。 |
FTP | File Transfer Protocol | ファイルのアップロードやダウンロードに使用されるプロトコルです。 |
TCP | Transmission Control Protocol | データの送受信を確実に行うためのプロトコルで、多くのアプリケーションで広く使用されています。 |
DNS | Domain Name System | ドメイン名をIPアドレスに変換する役割を果たします。 |
ARP | Address Resolution Protocol | IPアドレスからMACアドレスを取得するためのプロトコルです。 |
DHCP | Dynamic Host Configuration Protocol | ネットワークに接続するデバイスに動的にIPアドレスを割り当てるプロトコルです。 |
POP3 | Post Office Protocol 3 | メールサーバからメールを取得するためのプロトコルです。 |
IMAP | Internet Message Access Protocol | メールサーバ上でメールを管理するためのプロトコルです。 |
3. IPアドレスの基本
3-1 IPアドレスの役割と構造
通信を行う場合、各コンピューターにはIPアドレスという固有の番号が必要で、この番号は通信相手を特定するために使われます。IPアドレスは通常32bitの2進数で表現されるが、人間にとって読みにくい32桁の0と1の羅列を8bitごとにドットで区切り、10進数に変換して表記するのが一般的です。
すべてのコンピューターには、このようなIPアドレスが割り当てられている必要があります。
また、IPアドレスの形式は、使用されているIPのバージョンによって異なっていて、現在、インターネットで最も広く使用されているのはIPv4ですが、32bitのIPv4では約43億個のIPアドレスしか確保できないため、128bitのIPv6への移行が進行中です。
また、128ビットのIPv6では、約340,282,366,920,938,463,463,374,607,431,768,211,456個のIPアドレスが確保できます。単位で言うと「億」や「丁」のもっともっと上なので、おそらく人類が繁栄している間は、IPが枯渇する心配はなさそうです。笑
例
2進数の例 | 説明 | |
---|---|---|
元の32bit 2進数 | 11000000101010000000000100000001 | IPアドレスの元となる32bitの2進数です。 |
8bitごとに区切る | 11000000.10101000.00000001.00000001 | 32bitの2進数を8bitごとにドットで区切ります。 |
10進数に変換 | 192.168.1.1 | 各8bitの2進数を10進数に変換します。 |
3-2 グローバルIPとプライベートIPの違い
グローバルIPとプライベートIPは、どちらもIPアドレスの一種ですが、用途やアクセス範囲が異なります。
- グローバルIP(Public IP)
このタイプのIPアドレスは、インターネット上で一意に識別されるアドレスです。つまり、インターネット上で各デバイスやウェブサイトが特定されるための「公的な住所」のようなものです。グローバルIPは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)から割り当てられ、外部からアクセス可能です。 - プライベートIP(Private IP)
このタイプのIPアドレスは、ローカルネットワーク内(家庭やオフィスなど)でのみ有効なアドレスです。プライベートIPは、同じローカルネットワーク内のデバイス間での通信に使用されます。外部からは直接アクセスできません。
一覧
項目 | グローバルIP (Public IP) | プライベートIP (Private IP) |
---|---|---|
用途 | インターネット上での一意の識別 | ローカルネットワーク内での識別 |
アクセス範囲 | インターネット全体 | ローカルネットワーク内のみ |
割り当て元 | インターネットサービスプロバイダ(ISP) | ローカルネットワークの管理者またはDHCPサーバ |
外部アクセス | 可能(公的な住所) | 不可能(外部からは直接アクセスできない) |
例え | 「外の世界」で自分を識別するためのアドレス | 「家の中」で自分を識別するためのアドレス |
一般的な使用場所 | 公共の場(ウェブサーバー、メールサーバーなど) | プライベートな場(家庭内、オフィス内のデバイスなど) |
4. ドメイン名って何?
4-1 メイン名の基礎知識
ドメインは、インターネット上のコンピューターやサーバーを識別するための名前です。
これは、人々がウェブサイトやオンラインサービスにアクセスする際に非常に重要です。
例えば、「www.google.com」はGoogleのウェブサーバーのドメイン名です。
ここで重要なのが「名前解決」というプロセスです。
名前解決とは、ドメイン名を対応するIPアドレスに変換することです。
このプロセスによって、人々は覚えやすいドメイン名を使ってアクセスできます。
これによって、コンピューター同士の通信はIPアドレスを用いて行われます。
名前解決によって人々は複雑なIPアドレスを覚える必要がなくなります。
このように、ドメイン名と名前解決はインターネットを簡単に、そして効率的に使うための基礎的な要素です。
4-2 ドメインの構造と種類
- トップレベルドメイン
ドメイン名の最後の部分です。この場合、.comがそれに該当します。 - セカンドレベルドメイン
トップレベルドメインの前にある部分で、通常は企業名やブランド名です。この例では、exampleがセカンドレベルドメインです。 - サードレベルドメイン
セカンドレベルドメインの前にある部分。通常は特定のサービスや部門を識別するために使用されます。この例では、wwwがサードレベルドメインです。
5. TCP/IPとは?
5-1 TCP/IPはネット通信の基本ルール
インターネットにおいて、TCP/IPというプロトコルが広く使用されています。
これは、インターネット上でデータを送受信する際の基本的な「通信のルール」
TCP/IPは、主に二つの大きな部分から成り立っています。
一つはTCP、これはデータが確実に送られるようにする役割を果たします。
TCPは、送信するデータを小さなパケットに分割し、それが正確に受信されたかを確認する仕組みを持っています。
もう一つは、IP。これは送るデータが正確に目的地に届くようにする役割を果たします。
IPは、データパケットに送信元と送信先のIPアドレスを付与。それを目的地まで届けるルートを決定します。
このように、TCP/IPはデータの送受信が確実かつ効率的に行われるように各層で機能を果たしています。
これによって全世界のコンピュータやスマートフォン、サーバーなどがスムーズに情報をやり取りできる強力なネットワークとなっています。
また、TCP/IPはインターネットの土台となる技術であり、このプロトコルがなければ、現在のような広範で複雑なインターネット通信は成立しなかったのではないでしょうか。
5-2 TCP/IPの階層モデル
TCP/IPは、いくつかの「層」から成り立っており、これを階層モデルと呼びます。各層は特定の役割を果たし、一つの層が完了すると次の層にデータが渡されます。この階層モデルには主に4つの層があります。
第四層 – アプリケーション層
一番上の層で、ウェブブラウザやメールソフトなどのアプリケーションが動作する層。
第三層 – トランスポート層: この層でデータの送受信が確認されます。データが正確に送られるようにする役割もここで果たされます。
第二層 – インターネット層
この層で、データがどのルートを使って目的地に行くかが決定されます。
第一層 – ネットワークインターフェース層
これは一番下の層で、実際にデータが物理的なケーブルや無線を通って送られる部分。
このように、各層が連携してデータの送受信が行われます。この階層モデルがうまく機能することで、インターネットはスムーズに動作しています。
階層
階層 | 名前 | 説明 |
---|---|---|
4 | アプリケーション層 | 一番上の層で、ウェブブラウザやメールソフトなどのアプリケーションが動作する層です。 |
3 | トランスポート層 | データの送受信が確認され、データが正確に送られるようにする役割も果たされます。 |
2 | インターネット層 | データがどのルートを使って目的地に行くかが決定されます。 |
1 | ネットワークインターフェース層 | 一番下の層で、実際にデータが物理的なケーブルや無線を通って送られる部分です。 |
6. OSI参照モデルとは?
6-1 OSI参照モデル7つの階層
OSI参照モデルは、コンピュータネットワークがどのように動作するか?を理解するための「7層構造のフレームワーク」です。
1977年に国際標準化機構(ISO)によって策定が始まり、通信プロトコルを明確に分類する目的で作られました。
このモデルは、異なるメーカーの機器が共通の基準でネットワークを形成できるように設計されていています。各層は特定の通信タスクを担当し、第1層から第7層までの階層があります。
これらはそれぞれ下位層と上位層と呼ばれ、特定の機能を果たします。
具体的には、データ転送の基本的な機能は第1層から第3層で行われます。その補完として第4層が存在します。一方で、より高度な通信サービスの機能は第5層から第7層で担当されます。このようにして、OSI参照モデルはネットワーク通信を効率的かつ確実に行うための基盤を提供しています。
階層
階層 | 名前 | 説明 |
---|---|---|
7 | アプリケーション層 | エンドユーザーと直接対話するアプリケーションやサービス。HTTP、FTP、SMTPなど |
6 | プレゼンテーション層 | データの形式や暗号化の管理。HTML、PDFなどの形式に変換 |
5 | セッション層 | 通信セッションの確立、管理、終了 |
4 | トランスポート層 | データの送受信を確実かつ効率的に行う。TCP、UDP |
3 | ネットワーク層 | データパケットのルーティング。IPアドレス |
2 | データリンク層 | データフレームの管理とエラーチェック |
1 | 物理層 | ハードウェアデバイス間の物理的な接続。ケーブル、スイッチ、ハブ |
6-2 OSI参照モデル7階層の役割
OSI参照モデルは、コンピュータネットワークにおける通信プロセスを理解しやすくするための7層構造です。
各層は特定の通信タスクを担当します。それぞれが連携して全体の通信プロセスを成立させます。
階層の働き
第七層 – アプリケーション層
この層はエンドユーザーと直接対話するアプリケーションやサービスが動作する層です。HTTP、FTP、SMTPなどのプロトコルがこの層で動作します。
第六層 – プレゼンテーション層: この層はデータの形式や暗号化を管理します。テキストファイルをHTMLやPDFなどの形式に変換する作業がこの層で行われます。
第五層 – セッション層
この層は通信セッションを確立、管理、終了する役割を果たします。セッションの維持と終了がこの層でコントロールされます。
第四層 – トランスポート層
この層はデータの送受信を確実かつ効率的に行うためのプロトコルとメソッドを提供します。TCPやUDPがこの層で動作します。
第三層 – ネットワーク層
この層はデータパケットが送信元から目的地までどのルートをたどるかを決定します。IPアドレスが主にこの層で使用されます。
第二層 – データリンク層
この層は物理層を通じて送受信されるデータのフレームを管理します。エラーチェックとフレームの同期もこの層で行われます。
第一層 – 物理層: この層はハードウェアデバイス間の物理的な接続を担当します。ケーブル、スイッチ、ハブなどがこの層で動作します。
流れは↓のようになります。
この層はハードウェアデバイス間の物理的な接続を担当します。ケーブル、スイッチ、ハブなどがこの層で動作します。
この層は物理層を通じて送受信されるデータのフレームを管理します。エラーチェックとフレームの同期もこの層で行われます。
この層はデータパケットが送信元から目的地までどのルートをたどるかを決定します。IPアドレスが主にこの層で使用されます。
この層はデータの送受信を確実かつ効率的に行うためのプロトコルとメソッドを提供します。TCPやUDPがこの層で動作します。
この層は通信セッションを確立、管理、終了する役割を果たします。セッションの維持と終了がこの層でコントロールされます。
この層はデータの形式や暗号化を管理します。テキストファイルをHTMLやPDFなどの形式に変換する作業がこの層で行われます。
この層はエンドユーザーと直接対話するアプリケーションやサービスが動作する層です。HTTP、FTP、SMTPなどのプロトコルがこの層で動作します。
次回予告
今回は「【わかりやすいシリーズ 其の二】 ネットワークの基礎知識①」をお届けしました。ネットワークって何?プロトコルって何?IPアドレスって何?といった基本的な疑問から、少し専門的な話題まで、幅広く紹介させていただきました。
次回はこの続きとして、ARPやMACアドレスについて、話題をお届けします。
これらの用語が何を意味するのか?どうしてネットワークで重要なのか?初心者の方でもわかりやすく解説いたします。お楽しみに!