Python(パイソン)は今や世界で最も人気のあるプログラミング言語の一つですが、その多様な用途と共に、多くのバージョンが存在します。
それぞれのプロジェクトやライブラリが要求するPythonのバージョンが異なるため、正確なバージョンを知ることは非常に重要です。
このブログでは、Pythonのバージョンを確認するための総合的なガイドを提供します。
コマンドラインからIDE、仮想環境、クラウドサービス、さらには特殊なケースまで、幅広い確認方法を網羅しています。
イントロダクション
1-1. Pythonバージョンの確認の重要性
Pythonは多くのバージョンが存在し、それぞれのバージョンには独自の機能と互換性があります。特定のプロジェクトやライブラリが要求するPythonのバージョンを正確に知ることは、コードの安定性と効率に直結します。
バージョンが異なると、予期せぬエラーや機能の不具合が発生する可能性があります。このようなトラブルを避けるためにも、Pythonのバージョンを確認するスキルは必須です。
1-2. この記事でカバーする内容の概要
この記事では、Pythonのバージョンを確認するための様々な方法を詳しく解説します。
コマンドラインからのシンプルな確認方法から、IDE(統合開発環境)や特定のPythonライブラリでの確認方法、さらにはクラウドサービスと連携した確認方法まで、多角的にこのトピックを解説します。
また、特殊なケースとしてRaspberry PiやBlenderでのバージョン確認方法も取り上げます。
1. コマンドラインでのPythonバージョン確認
コマンドラインとは、テキストでコンピュータに指示を出すための画面です。
Pythonのバージョンを知る一番簡単な方法がここでの確認です。
Windows、Mac、Linuxといった異なるコンピュータの種類ごとに、どうやって確認するのかを説明します。
1-1. Windowsでの手順
Windowsの場合、スタートメニューから「コマンドプロンプト」というプログラムを開きます。そこにpython --version
と打ち込んでエンターキーを押すと、Pythonのバージョンが表示されます。
出てこない場合
- 「コマンドプロンプト」を開いて
where python
と入力してみてください。何も出力されなければ、Pythonがインストールされていないか、パスが設定されていない可能性が高いです。 - Pythonがインストールされていない場合は、公式サイトからダウンロードしてインストールしてください。
1-2. macOSでの手順
Macの場合、Finderから「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」と進んで開きます。ターミナルにpython3 --version
と打ち込んでエンターキーを押すと、Pythonのバージョンが表示されます。
出てこない場合
- 「ターミナル」を開いて
which python3
と入力してみてください。何も出力されなければ、Pythonがインストールされていないか、パスが設定されていない可能性が高いです。 - Pythonがインストールされていない場合は、Homebrewを使ってインストールすることが多いです。
1-3. Linuxでの手順
Linuxの場合、画面左上や左下にあるメニューから「ターミナル」を選びます。開いたら、python3 --version
と打ち込んでエンターキーを押すと、Pythonのバージョンが表示されます。
出てこない場合
- 「ターミナル」を開いて
which python3
と入力してみてください。何も出力されなければ、Pythonがインストールされていないか、パスが設定されていない可能性が高いです。 - Pythonがインストールされていない場合は、パッケージマネージャーを使ってインストールできます。
2. IDE(統合開発環境)でのPythonバージョン確認
IDE(統合開発環境)とは、プログラミングをするための特別なソフトウェアです。
このソフトウェア内でもPythonのバージョンを確認できます。ここでは、よく使われるIDEであるPyCharm、VS Code、Jupyter Notebookでの確認方法を説明します。
2-1. PyCharmでの確認方法
PyCharmを開いたら、上部のメニューから「File」→「Settings」(または「Preferences」)を選びます。左側のメニューで「Project: [プロジェクト名]」→「Python Interpreter」を選ぶと、使用しているPythonのバージョンが表示されます。
2-2. VS Codeでの確認方法
VS Codeを開いて、左側のバーから歯車アイコン(設定)をクリックします。検索窓に「Python」と入力し、「Python Path」の項目で表示されるPythonのバージョンが、現在使用しているものです。
2-3. Jupyter Notebookでの確認方法
Jupyter Notebookを開いて、新しいノートを作成または既存のノートを開きます。新しいセルを作成し、その中に!python --version
と入力して実行(Shift + Enter)すると、Pythonのバージョンが表示されます。
3. Pythonライブラリとフレームワークのバージョン確認
Pythonライブラリとフレームワークは、特定の作業を簡単にするためのツールです。これらもバージョンによっては違いがあるので、確認することが重要です。ここでは、よく使われるDjango、Pandas、NumPyでの確認方法を説明します。
3-1. Djangoでの確認方法
Djangoはウェブサイトを作るためのフレームワークです。確認方法は、コマンドライン(黒い画面)を開いて、python -m django --version
と入力してエンターキーを押します。そうすると、Djangoのバージョンが表示されます。
3-2. Pandasでの確認方法
Pandasはデータ解析をするためのライブラリです。Pythonのコード内でimport pandas as pd
と書いた後、print(pd.__version__)
と入力して実行すると、Pandasのバージョンが表示されます。
3-3. NumPyでの確認方法
NumPyは数学的な計算をするためのライブラリです。Pythonのコード内でimport numpy as np
と書いた後、print(np.__version__)
と入力して実行すると、NumPyのバージョンが表示されます。
4. 仮想環境でのPythonバージョン確認
仮想環境とは、プログラミングをする際に独立した作業空間を作るためのものです。これによって、プロジェクトごとに異なるPythonバージョンやライブラリを使うことができます。ここでは、よく使われるAnaconda、venv、pyenvでの確認方法を説明します。
4-1. Anacondaでの確認方法
Anacondaはデータサイエンスによく使われる仮想環境です。Anaconda Navigator(Anacondaの管理画面)を開いて、左側の「Environments」タブをクリックします。そこで環境を選ぶと、右側にその環境で使っているPythonのバージョンが表示されます。
4-2. venvでの確認方法
venvはPythonに元から備わっている仮想環境作成ツールです。コマンドラインを開いて、仮想環境が保存されているフォルダに移動します。その後、source [仮想環境名]/bin/activate
(Mac/Linux)または[仮想環境名]\Scripts\Activate
(Windows)と入力して、仮想環境を起動します。起動したら、python --version
と入力してエンターキーを押すと、Pythonのバージョンが表示されます。
4-3. pyenvでの確認方法
pyenvは複数のPythonバージョンを管理するためのツールです。コマンドラインを開いて、pyenv version
と入力してエンターキーを押すと、現在使用しているPythonのバージョンが表示されます。
5. クラウドサービスと連携したPythonバージョン確認
クラウドサービスとは、インターネットを通じて提供されるコンピューターサービスのことです。Pythonをクラウドで動かす場合も、どのバージョンを使っているのか確認することは重要です。ここでは、AWS LambdaとAzure Functionsでの確認方法を説明します。
5-1. AWS Lambdaでの確認方法
AWS LambdaはAmazonが提供するクラウドサービスです。AWSの管理画面(ダッシュボード)にログインして、「Lambda」を選びます。作成した関数(Function)をクリックして、設定(Configuration)タブを選ぶと、使用しているPythonのバージョンが表示されます。
5-2. Azure Functionsでの確認方法
Azure FunctionsはMicrosoftが提供するクラウドサービスです。Azureのダッシュボードにログインして、「Functions」を選びます。作成した関数をクリックして、左側のメニューから「Configuration」を選ぶと、使用しているPythonのバージョンが表示されます。
6. その他の特殊なケース
Pythonは多様なプラットフォームやソフトウェアで使用されています。ここでは、一般的なPCやクラウドサービス以外でPythonを使用する場合、特にRaspberry PiとBlenderでのバージョン確認方法を説明します。
6-1. Raspberry Piでの確認方法
Raspberry Pi(ラズベリーパイ)は小型のコンピューターです。このデバイスでもPythonがよく使われます。Raspberry Piを起動したら、左上のメニューから「ターミナル」を開きます。ターミナルにpython --version
またはpython3 --version
と入力してエンターキーを押すと、Pythonのバージョンが表示されます。
6-2. Blenderでの確認方法
Blenderは3Dモデリングやアニメーション作成のためのソフトウェアです。Blender内でPythonスクリプトを使うこともあります。Blenderを開いて、画面下部にある「Scripting」タブをクリックします。新しいテキストエディタウィンドウが開いたら、import sys; print(sys.version)
と入力して実行(Run ScriptまたはAlt+P)すると、Pythonのバージョンが表示されます。